どのような資格・経歴・実績をもったカウンセラーか?
カウンセラーにも多種多様な方がいます。国家資格を保有していたり、民間資格を保有していたり、はたまた両方をもっている方、特段何も資格をもっていない方など。思い切って自分の悩みを打ち明けるなら、カウンセラーのバックグラウンドはしっかりと把握しておくべきだと思います。カウンセラーの資格や経歴、実績など、カウンセラーとしての履歴を確認し、相談するに値する人か確認をしましょう。また、オンラインカウンセリングサービスにおいては、自動マッチングシステムが導入されている場合があります。自動マッチングをされた際にも、相手のカウンセラーに関してよく調べてから、カウンセリングに入りましょう。
ここでは、カウンセラーが持っている資格についてご紹介をします。メジャーな資格をご紹介しますので、すべてではありません。下の内容を参考にして、カウンセラー選びに役立ててください。
カウンセラーの国家資格
公認心理師
心理学系の大学卒業をして、かつ、実務経験2年以上または大学院修了が必須になっているため、難易度が高い国家資格です。大学〜大学院で心理学を専門的に学ぶため、公認心理師の資格を持っている人は高く評価される場合が多いです。
また、公認心理師はよく臨床心理士と比較されます。臨床心理士は民間資格になっています。ただ公認心理師と同じく大学院まで卒業していなければならない条件資格のため、どちらも信頼できる資格と言えます。
公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。
(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析
(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助
(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供
引用:厚生労働省
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、例年60%ぐらいの合格率がある国家資格。社会福祉士に比べると試験科目が少なく、合格率も高いのが特徴。精神障害者を社会復帰へと導くソーシャルワーカーであり、「精神医学」「精神保健学」など精神保健福祉に関する知識があります。
精神保健福祉士国家資格を取得した方で最も一般的な取得ルートは、福祉系の4年制大学で所定の課程を修了するルートです。これは学校で勉強するだけで受験資格を得ることができます。しかし、福祉系以外の大学に進んだ場合でも、卒業後に「一般養成施設」と呼ばれる専門学校で学ぶことによって、受験資格を得ている人も大勢います。
精神保健福祉士は、精神保健福祉士法(平成9年法律第131号)に基づく名称独占の資格であり、精神保健福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、又は精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うことを業とする者をいいます。
引用:厚生労働省
社会福祉士
社会福祉士は、例年30%ぐらいの合格率をもつ国家資格です。「社会調査の基礎」や「高齢者に対する支援と介護保険制度」「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」など幅広い分野をカバーしている国家資格です。
社会福祉士の方に関していえば、最も一般的な4年制の福祉系大学を卒業されている方が多くいらっしゃいます。
昭和62年3月23日に中央社会福祉審議会等福祉関係三審議会の合同企画分科会から出された「福祉関係者の資格制度について」(意見具申)に基づき、「社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)」が第108国会において昭和62年5月21日成立、同5月26日公布された。
社会福祉士は、同法に基づく名称独占の国家資格であり、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう。
福祉系4年制大学卒業者(指定科目履修)、社会福祉士指定養成施設卒業者等で、社会福祉士国家試験に合格し登録することが必要である。
引用:厚生労働省
キャリアコンサルタント
大学卒業などの学歴は不問の資格になります。国家資格となりますが難易度は低めの国家資格です。
・「キャリア・コンサルティングを行う人材」であり、キャリア・コンサルティング技能士(1級・
2級)、標準レベルキャリア・コンサルタント、登録キャリア・コンサルタントから構成される・キャリア・コンサルティング技能検定(キャリア・コンサルティング技能士1級・2級):国
の技能検定職種のひとつであり、試験は学科試験と実技試験から構成される。この両方の試験
に合格すると、試験等級に応じて「キャリア・コンサルティング技能士」の称号が付与される・標準レベルキャリア・コンサルタント:キャリア・コンサルタント養成講座(140時間)を受
引用:厚生労働省
講し、厚生労働省が指定したキャリア・コンサルティング能力評価試験(民間資格)に合格し
た者
カウンセラーの民間資格
臨床心理士
臨床心理士はクライアント個人の力で精神状態を回復支援させることを行います。精神科医や心療内科の診断〜投薬治療とは異なる職種です。具体的には、臨床心理士はクライアントに対して心理検査や面談を行って、問題を見極め、カウンセリングをします。
また、臨床心理士の方は臨床心理士資格審査に合格することが必要です。これは民間資格であり資格試験を受験するためには特定の大学院を卒業していることが必須となっています。
公認心理師が国家資格であるのに対し、臨床心理士は民間資格です。ただ、臨床心理士は大学院まで出ていなければならない条件があるので、難易度が高い資格とも言われています。公認心理師と臨床心理士の両方の資格を持っている方がいれば、心理カウンセラーとして十分な資格を持っていると言えるでしょう。
臨床心理士に求められる専門行為とは、
①種々の心理テスト等を用いての心理査定技法や面接査定に精通していること。
②一定の水準で臨床心理学的にかかわる面接援助技法を適用して、その的確な対応・処置能力を持っていること。
③地域の心の健康活動にかかわる人的援助システムのコーディネーティングやコンサルテーションにかかわる能力を保持していること。
④自らの援助技法や査定技法を含めた多様な心理臨床実践に関する研究・調査とその発表等についての資質の涵養が要請されることなどです。
また、こうした4種の業務について、さらなる自らの心理臨床能力の向上と、高邁な人格性の維持、研鑽に精進するために、「臨床心理士倫理綱領」の遵守、5年ごとの資格更新制度などが定められています。
引用:日本臨床心理士資格認定協会
認定心理士
認定心理士は、資格試験がないのが特徴です。4年制大学で心理学の単位を一定数取得すれば保有できるものになります。
日本心理学会認定心理士とは大学における心理学関係の学科名が学際性を帯びてきて,必ずしも「心理学」という,直接的名称が使われていない場合が多いことから,心理学の専門家として仕事をするために必要な,最小限の標準的基礎学力と技能を修得している,と日本心理学会が認定した人のことです。
引用:日本心理学会
認定心理カウンセラー
民間の日本カウンセリング普及協会が出している資格です。受験資格などは以下の通りです。認定心理士に比べ、資格試験がある分、信頼性は増すと思います。
受験資格
(1)18歳以上
(2)次の[A.]または[B.]に該当する者とする
[A.] 試験日までに日本総合カウンセリングが行う心理カウンセラー養成講座(全40回)を修了している者[B.] 大学の心理学部またはそれに隣接する学科を卒業している者引用:日本カウンセリング普及協会 http://www.jcsa-web.or.jp/
産業カウンセラー
民間資格である産業カウンセラー資格は、
①養成講座を修了 ②大学院などの指定の専攻を修了し指定科目を取得
上記2つののどちらかを経て、はじめて受験資格を得ることができます。その後、試験を受け合格し、日本産業カウンセラー協会の会員になることで、「資格登録会員」として産業カウンセラーの活動が可能となっています。
また、産業カウンセラーの上位資格にあたるものに、シニア産業カウンセラーや国家資格であるキャリアコンサルタントがあります。
産業カウンセラーは、職場でカウンセリングをおこなうカウンセラーです。
引用:日本産業カウンセラー協会
心理学的手法を用いて、働く人たちが抱える問題を、自らの力で解決できるように援助することを主たる業務としています。その仕事は、時代によりいろいろ変化してきました。最初の頃(高度成長期の初期)は地方から集団就職してきた多くの若者の援助者として、また高度成長期の最頂期には、OA革命に象徴される 職場環境の激変でメンタル・ヘルスの推進者として、そして今では、キャリアナビゲーターとして、企業内のキャリア開発支援者として、リストラの中で苦しむ多くの人たちの良き理解者・援助者として活躍しています。
カウンセラーは、コンサルタントでもなければ、身の上相談者でもありません。私達は、人間はより良い自己を目指して生きていく、素晴らしい力をもっているという確信をもって、それを援助する者と考えていますから、クライエントの伴走者を任じています。